1級着付け技能士の受検を目指す際、誰もが一度はぶつかる疑問があります。
「実技の練習は、毎日やらなければいけないのだろうか?」
結論から申し上げますと、「毎日の練習が必要」という認識は今も変わっていません。
しかし、私自身の実際の練習実績を振り返ってみると、「毎日」とは言えない、断続的なものでした。
私の練習実績(7月初旬~12月上旬)
私は練習をした際、必ず正面と背面の写真を撮影して記録に残していました。

その画像履歴から練習回数を数えてみた結果がこちらです。
【5ヶ月間の練習回数】
・不合格年:69回
・合格年:54回
1ヶ月を30日とすると、5ヶ月で150日。概ね2~3日に1回は必ず練習していた計算になります。暑い盛りの練習が多かったので、「アリとキリギリス」のお話を思い出すくらい、自分に練習を課していました。
しかし、お気づきでしょうか。
合格した年よりも、不合格だった年の方が、圧倒的に練習回数が多いのです。
「毎日練習の呪縛」に陥った不合格年
不合格だった年、ある対策講座の講師の先生から「毎日、練習してる?」と尋ねられました。
その言葉で「そうか、やっぱり毎日の練習は必須なんだ」と痛感し、それ以来「毎日練習」を強烈に意識づけました。
しかし、当時の私の心境は、あまり人様にお伝えしない方が良いかもしれないと思うほど、心穏やかではありませんでした。
「毎日練習しないと不安になるから、やる。」
数日練習しない日があくと、大変な危機感が募り、憑かれたように練習に没頭する。そんな状態でした。
【不合格年の練習時のマインド】
- 練習できない言い訳はいくらだってできる(だからやるよ)
- 「これだけ練習したんだから」と思えるくらいにやろう
- この練習時間を絶対むだにするな
- 最後の敵は自分自身だ
不合格年は、「毎日練習すること」自体に意識が向いており、合格域を攻略するための冷静な思考や、技術を底上げする力が乏しかったのだと思います。正直なところ、「受かってほしい」と神頼みのような状態でした。
「回数」ではなく「意識」を変えた合格年
不合格を経て迎えた合格年。私は練習の内容とマインドを大きく変更しました。
【合格年の練習時のマインド】
- 必ず合格しよう(不合格でも3回目を受検しよう)
- 絶対に「1級着付け技能士」と名乗れるようになろう
- 練習に付き合ってくれるモデルさんの時間を無駄にしない
- 着実に「合格域」へ引き上げる
「なんとなく」の無意識を徹底排除する
不合格年は、不安から「絶対に最初から最後まで一通り通す練習」ばかりを行っていました。しかし合格年は、一通りの練習に加えて「部分練習」を徹底的に課しました。
この頃になって、ようやく気付き始めたのです。
「無意識に手を動かすのは絶対にダメだ」
「『なんとなくできた』はダメだ。常に『再現性』を持たせなければ」と。
合格した年は、練習しない日が数日あいたとしても、それがメリットに働きました。前回の練習での「不満足箇所(課題)」を常に頭で意識していたため、数日あけて着付けをした際、見事にその箇所が改善されていったのです。
いっていること(目標)と、やっていること(練習)を一致させる
以前の記事でも触れたダルビッシュ選手のお言葉に、このような名言があります。
「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」
ただ闇雲に回数を重ねるだけの「毎日の練習」は、いとも簡単に自分を裏切ります(嘘をつきます)。
けれど、頭を使い、「いっていること(合格する)」と「やっていること(日々の練習内容)」が正しく伴って初めて、その努力は絶対に裏切らないのだと考えます。
私の不合格年は、まさに「頭を使わずに練習したことで、努力に嘘をつかれた状態」でした。
「やっていること(ただ回数をこなす日々の練習)」が、合格にたどり着くための正しいベクトルから大きくずれてしまっていたのです。
「毎日練習すると疲れてしまうから、部分練習だけでも大丈夫よ」と仰ってくださる対策講座の先生もいらっしゃいました。それでも、超心配性の私は不安の募り方が大きく、絶対に一通りの練習を自分に課していました。
しかし合格年は、受検3ヶ月前の9月の時点で「これで受からなかったら不思議だ」と思えるほど、練習の質が整いつつありました。
(もちろん、そこから12月の本番までは、やはり予断を許さない危機感とともに、合格への執念のみで練習を続けました!)
おわりに:練習できない言い訳はいくらでもできる
「練習は毎日必要か?」
その答えは、やはり大前提として「必要」です。
しかし、ただ回数を重ねるだけの「無意識の毎日」なら、必要ではないかもしれません。
日常生活を送る中で、練習できない言い訳は、きっといくらでもできると推察します。
比べるべきは「他人」ではなく「昨日までの自分」。絶対に合格をとりにいく精神で過ごした、ある一受検者の練習の振り返りでした。
これから受検される皆様のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

