実技試験の持ち物準備をしていると、ふと疑問に思うことはありませんか?
「帯枕は、普段使い慣れている『横長(ロング)』が良いの? それとも『貝枕(はまぐり枕)』が良いの?」
私が採用した帯枕は『貝枕(かいまくら)』はまぐり枕とも呼ばれている帯枕を採用しました。
その理由は、単に「ふっくら見えるから」だけではなく、「モデルさんの体型」との相性でした。
今回は、私がなぜ使い慣れない貝枕を選んだのか、そして貝枕の特性(厚み)をどう調えたのか、その戦略をお話しします。
そもそも試験規定ではどっち?
まず、規定を確認しておきましょう。
『受検に際しての注意事項』にはこう書かれています。
帯枕 数 1 窓枠なし。ガーゼ付は可。加工して持参することは不可。
形についての指定はありません。
つまり、貝枕でも普通の帯枕でも、どちらを使っても合格できます。
ご自身のお着付けと一番相性が良いものを選ぶのが基本です。
私が「貝枕」に乗り換えた理由
もともと私は、貝枕とは実際の仕事でご縁がある事が少なく、ご縁があった際は、やや苦手感さえありました。
その理由は、一般的に例えばレンタル品一式で整えられている小物類の帯枕は「横長」が多いからです。
自分自身が自装を始めた際の相棒も横長の帯枕で、要は「慣れ親しんだ帯枕は横長な方」だったのです。
しかし、対策講座の先生の一言で状況が変わります。
『貝枕の方が、ふくら雀の「ふっくら感」が出ますよ』
その言葉をうのみにした私は、即フリマサイトで貝枕を購入し、その日から貝枕一択の練習を行いました。
結果的に、私にとっての決定的な採用理由が見つかりました。
理由:モデルさんが「小柄(150cm未満)」だったから
私がお願いしたモデルさんは、身長150cm未満と小柄な方でした。
モデル体型に合わせると、横長の帯枕をあててふくら雀を作った際、大き目で、とても納得のいく外観ではなかったのです。
(もっともそうな言葉を発していますが、単に私にテクニックがないとも言います…)
その点、幅のない「貝枕」は、小柄なモデルさんに適していました。
「道具を自分の技術に合わせるのではなく、モデルさんの体型に合わせる」
これが、私が貝枕を採用した理由です。
貝枕の落とし穴:「厚み」との戦い
しかし、通常は良い方向に作用する貝枕の特性が、私にとっては悩ましいと感じる面もありました。
その特性(厚み)から、自ずと「帯の厚み」ふっくら感が出やすくなるのです。
さらに悩ましさの掛け算となったのは、私が選んだ「相棒の帯」が、たしかにしっかり目の帯でした。
ほつれとか気になるから、毎日練習しても耐えられそうな丈夫な帯がいいなぁ、ひだの形付けもきまりそうだし…という、安直な考えから採用した帯。
しかし、もうこの帯で受検する一途でしたので、「これは必ず改めなければならない」と、日々の練習で改善に努めることにいたしました。
「指摘されなかったよね?」と不安になるまで
対策講座の先生からは、
『帯がしっかりしている物だから、ここに厚みが出ますね。帯の重なっている部分をフラットにしておく必要がありますね』
と指摘されました。
言葉のみで聞けば「承知しました、そのように致します」という事なのですが、実際に行うと、そう簡単にはいきません。
10月の4回目の対策講座でも指摘され、
11月の5回目の対策講座で「あれ?今回は指摘されなかったよね??」と不安になる位に、この厚みを可能な限りフラットにする処理にてこずっておりました。
解決策:巻き始めの位置調整
しかしながら、てこずりはしましたが、合格域まで達せなければいけません。
そこで至ったのが、「帯を巻くスタート位置の調整」でした。
ひだ作り等で、帯が重なって分厚くなる部分をズラすために、
「帯の柄止まりを、背中心ど真ん中より『少し右』にして帯回しを開始する」
という策です。
テクニックがあれば、帯枕のサイズ云々という話ではないかと存じます。
私はテクニックがたいそう不安でしたので、即貝枕を採用したのみです。
まとめ:不安だからこそ「道具」で補う
圧倒的なテクニックがあれば、どんな帯枕でも美しく仕上げられるのかもしれません。
実際に、受検会場や既に合格された方の発信を見ると、よく目にする「横長の帯枕」を採用されている方が多いです。
もしかしたら、私の気にし過ぎがたたって、貝枕へ視線がいってしまっただけかもしれません。
なんだけれど、私が合格に至るには貝枕が良き相棒となりました。
最終的にモデル体型に合わせられましたし、気がかりな厚みも調整する術を備えて受検できました。
小物選びも、テクニックでカバーできる方にとっては、全く気にする必要性のない事です。
されど、私は合格するテクニックに本当に自信がなかったので、モデルさんに合った帯枕を採用いたしました。
もし今、帯枕選びで迷っている方がいたら、一度「モデルさんの体型」と相談してみてください。
もしかしたら、その「違和感」は、帯枕を変えるだけで解決するかもしれません。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【おまけ】私が実際の試験モデル用に選んだ貝枕
ネットショップやお店で探すと、素材や価格も様々で「結局どれを買えばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。
1級の実技試験で使うなら、サイズ感が適切で、お太鼓の形が最も美しく決まるこちらの定番の蛤枕(貝枕)がおすすめです。無理に高価なものを用意しなくても、コスパが良く実用的なこちらで十分に合格ラインに届きます。
手頃な価格ですが、形も硬さも非常に安定しており、本番の緊張感の中でも扱いやすいのが魅力です。メルカリなどで中古を探すのも一つの手ですが、サイズが微妙に違ったり、届いてみたら紐が劣化していたりするリスクを考えると、ここは間違いのない定番の新品をサクッと揃えておくのが、一番安心で確実だと思います。
新品の帯枕(蛤枕)を用意したら、練習の段階から必ず一度、「枕の紐(ひも)の結び心地」を確かめてみてください。
もし付属の紐がツルツルして滑りやすかったり、少し結びにくいと感じたりした場合は、無理してそのまま使わず、自分が一番結びやすい綿のガーゼ紐などに思い切って付け替えてしまうのがおすすめです。
本番の1分1秒を争う極限の焦りの中で、帯枕の紐が「一発でスッと緩まずに結べるかどうか」は、心の落ち着きにものすごく大きく影響します。道具はそのまま使うだけでなく、自分の手に馴染むように少しだけ育てる意識を持っておくと、本番で本当に救われますよ!

