【1級着付け技能士】モデルさんとの練習回数は?本番に向けてお願いすべき「超・具体的なチェックリスト」
1級着付け技能士の実技試験に向けて、皆様はモデルさんとの練習をどのように計画されていますか?
「漠然とモデルさんは立っているだけだから、一緒に練習する回数は3回程度でよいかなぁ」
実はお恥ずかしいことに、これは不合格だった年の私が考えていたことです。はい、当時の私大バカ者ですね。初めて実技試験に向き合おうと練習を開始した頃、小心者で心配性、だけどたいそうなズボラである私は、迷走っぷりも甚だしいものでした。
しかし、そんな迷走状態の私も、途中で「モデルさんとの練習回数を重ねる重要さ」に確実に気が付きました。多くの方がお気づきの通り、ボディ(マネキン)と生身のモデルさんでの練習は全く異なります。当然のことですが、本当に、全く異なるのです。
今回は、1合格者の一つの実例として、私のモデルさんとの練習回数と、練習を通じて気づいた「モデルさんへ事前にお願いしておくべき大切な事柄」をまとめました。
振り返る、モデルさんとの練習回数と仕上がり
不合格だった年:計11回
(内訳:対策講座への同行2回、受検日当日の朝1回)
ちなみに、これがモデルさんとの練習1回目の状態です。

合格した年:計7回
(内訳:対策講座への同行4回、受検日2日前の最終練習1回)
そしてこれが、見事合格を掴んだ年、受検日2日前の最終練習時の状態です。

モデルさんとの練習頻度や配分は本当に人それぞれです。回数が多ければ良いというものでもありません。大切なのは「本番を想定した動き」をいかに共有できるかです。
モデルさんにお願いする「超・具体的なチェックリスト」
モデルさんとの練習に真剣に向き合ってから、私は「受検者がモデルさんに対してお願いすべき事柄」が結構多いことに気が付きました。
文字に書き起こさなくてもよいような些細なことかもしれません。しかし、この地味な連携こそが本番でのスムーズな動きに直結します。私が実際にお願いしていた内容をリストアップします。
事前準備・服装についてのお願い
- 練習日と受検当日のスケジュールの確保
- 練習時・本番ともに「和装ブラジャー」の着用
- 本番当日は、前開きワンピースなど「脱ぎ着しやすい服装」での来場
- モデルさん自身がヘアセットされる場合は、アップスタイルにしてもらう
- 本番は、四方八方から検定委員の先生方の厳しい視線があることを事前にお伝えしておく
試験会場・本番直前のお願い
- 会場内ではスマートフォンの電源をオフにしていただく
- お着付け開始前に、お互いに静かな挨拶(一礼)を交わす
- 審査中は、真っすぐ前(正面)を見ていていただく
お着付け中の「所作」についてのお願い
- 足の広げ方:腰ひもを結ぶ際は足もとを揃えていただき(私はおくみせんと足袋にかかる下線のバランスを決める為)、それ以外の着付け中は開きすぎない程度に少々足を広げて踏ん張っていただいて大丈夫とお伝えする。
- 腕の上げ方:補整のガーゼを巻く際や伊達巻など、モデルさんの脇部分を通る作業の時は、自然に軽く腕を上げていただくよう、息を合わせる。
- 立ち位置の移動:帯結びの際、モデルさんの後方に作業スペースを広く取りたいため、私が手で促したら「一歩前」へ移動していただく。
- 草履の履き方:草履を履かせるタイミングでもたつかないよう、左右どちらの足から履くかを事前に決めておく。
お着付け完了後(審査時)のお願い
- 歩き方の練習:受検者が一旦退場した後、モデルさんは検定委員の先生に促されたルートを歩く動きを求められます。そのため、練習時にも着付け完了後に草履を履いて少々歩いていただく。
- 歩き方の注意点:パタパタと音を立てて歩かないこと、腕の振りは控えめに袖(振り)がバタつかないように気をつけていただくこと。
モデルさんへのお願いは「どう伝えるか」も重要
ここまでたくさんのお願い事を連ねましたが、私はこれらを事前にLINEなどで文字にして送ったり、一度にまとめてお願いしたりしたわけではありません。
日々の着付け練習を重ねる中で、その都度、口頭で自然に伝えていきました。
一緒に体を動かしながら「このタイミングで少し腕を上げてね」「ここで一歩前にお願いね」と伝えることで、お互いの息を合わせていったのです。
そして、後日談として非常に効果的だったと感じているのが、「対策講座にモデルさんと一緒に同行したこと」です。
私からお願いするだけでなく、対策講座の先生からも本番に向けた留意点を一緒に共有していただけたことで、モデルさん自身にも「ただ立っているだけではない」という自覚(当事者意識)が生まれました。この経験が、本番でのあのスムーズな連携という良い効果を生んでくれたのだと確信しています。
【おまけ】お草履は「歩きやすさ」と「劣化」の事前チェックを!
モデルさんに歩いていただく練習をする際、ぜひ一緒にお草履の状態も確認してみてください。
何年も下駄箱に眠っていた古いお草履だと、本番の歩行審査中に突然底がパカッと剥がれてしまったり、鼻緒が固くてモデルさんの足を痛めてしまったりする(そしてそれが痛そうな歩き方に出てしまう)トラブルが意外と多いのです。私は備えあれば憂いなし精神で新調しました。と言葉にすると仰々しいですが後々使用できるよう安価な万能品をです。
貴重な時間を割いてくれるモデルさんに気持ちよく、そして美しい姿勢で本番を歩き切ってもらうためにも、もし状態に不安があれば、この機会に歩きやすいお草履を新調しておくのも、受検者の立派な「備え(思いやり)」の一つだと思います。
▼ 私が本番で使用したお草履は現在売り切れのため、安価で万能な「おすすめの同等品」をご紹介しますね
練習から本番まで気兼ねなくガシガシ使える安価な万能品ですが、歩きやすさは抜群です。本番の歩行審査でも全くもたつくことなく、スムーズに歩いていただくことができました。どれを選べばいいか迷っている方や、手持ちの古い草履の劣化が心配な方には、心強い安心材料としてとてもおすすめです。
最後に:貴重な時間をいただく感謝を忘れない
こうして連ねてみると、本当に地味で些細な事柄ばかりです。
しかし、ご自身の貴重な時間を割いて練習に付き合ってくださるモデルさんの存在は、決して当たり前のことではありません。その大きなありがたさをしっかりと受け止め、モデルさんと二人三脚で息を合わせることが、合格の域へと達する確実な一歩になります。
本記事が、これから実技試験に挑む皆様の参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

