こんにちは、めいりんやの堀内美鈴です。
1級実技試験の課題である「ふくら雀」。 練習を始めて最初にぶつかる壁、そして試験直前まで悩むのが「羽根のひだの形」ではないでしょうか。
「三ツ山ひだ(みつやまひだ)」にするか、「箱ひだ(はこひだ)」にするか。
今回は、私が受験生の時に実際に悩み、そして最終的にどう決断して合格を掴んだのか。 恥ずかしながら、迷走していた時期の(大変へったくそです)写真も公開しつつ、その戦略をお話しします。
1. 試験要項の「正解」とは?
まず、試験の要項(ルール)を冷静に見返してみましょう。 私が受検した時の仕様には、以下のように記載されていました。
仕様:受検者持参品を使用して、人間モデルに中振袖(ふくら雀)の着付けを行う。
・羽の形は、自由とする。ただし、背に添わせること
(出典:全日本着付け技能センター「実技試験問題」より)
そう、明記されているのは「自由」という言葉だけなのです。 どこにも「箱ひだでなければならない」「三ツ山が望ましい」とは書かれていません。
参考図の呪縛(じゅばく)
しかし、添えられている「参考図(後ろ姿)」を見ると、なんとなく「三ツ山ひだ」と「箱ひだ」の2パターンに見える図が描かれています。 (※あくまで私の憶測ですが、この図通りを目指すとその2種になるのかな、という印象です)
「自由」と言われつつも、参考図がある。 ここで多くの受験生は「どっちが正解なの?」「どっちが高得点なの?」と足踏みをしてしまうのです。
2. 「箱ひだ」への憧れと劣等感
正直に告白しますと、私は「箱ひだ」に対して一種のコンプレックスを持っていました。
なんとなくですが、 ・箱ひだの方が難易度が高そう ・箱ひだの方が「格」が高く見えるのではないか ・上手い人はみんな箱ひだをやっている気がする
そんな「箱ひだの権威」のようなものを勝手に感じていたのです。 「三ツ山ひだでは合格できないのではないか?」と不安になり、箱ひだを習得しようと必死に練習した時期もありました。
3. 迷走期の写真を公開します
百聞は一見にしかず。 私がまだ1回目の受検(不合格)に向けて練習していた頃、つまり受検日の三か月ほど前の「迷走期」の写真をご覧ください。
- 三ツ山ひだ(みつやまひだ)▼

- 箱ひだ(はこひだ)▼

いかがでしょうか。 どちらにしようか迷っていた頃の結びなので、完成度は大変低いです。 お太鼓の形はいびつですし、ひだも決まっていません、他、とにかくさんざん・・・。当たり前ですが、絶対に合格に至らない完成度の低さです。
人様の前に出すのは恥ずかしいレベルですが、「合格者にもこんな下手な時期があったんだ」と、今練習に苦しんでいる方の励みになればと思い、あえて掲載しました。この過程も、合格までには必要な過程だったのです。これだけへたくそから合格レベルに至った参考例として眺めていただければです。
4. 私が「三ツ山ひだ」を選んだ決定的な理由
いろいろ試行錯誤した結果、私は本番で「三ツ山ひだ」を採用しました。
理由は極めてシンプルです。 「私にとって、箱ひだよりも三ツ山ひだの方が、きれいに形作れたから」
私は結局、箱ひだを自分のものとして落とし込むまでには至りませんでした。 技術不足と言ってしまえばそれまでですが、無理をして苦手な「箱ひだ」を選ぶよりも、得意な「三ツ山ひだ」を磨く方が得策だと気づいたのです。
「きれいなものは、誰が見てもきれい」
私が箱ひだから離脱した時に、自分自身に言い聞かせた言葉があります。
「圧倒的にきれいなものは、誰が見てもきれい。そう作ればいい」
ひだの種類がどうこうではありません。 パッと見た瞬間に「美しい!」と思わせる完成度があれば、それは正解なのです。 へたくそ極まりない当時の私でしたが、この考えに至れたことは大きな収穫でした。
5. 実際の試験会場はどうだった?
実際に2回受検して周りを見渡した感想ですが、あくまで私の印象では「三ツ山ひだの方が多い傾向」にありました。
もちろん受検回や会場によって異なると思いますが、「箱ひだでなければ受からない」ということは絶対にありません。 むしろ、私が勝手に箱ひだへの劣等感を持っていたからこそ、少数派の箱ひだが際立って見え、「うわぁ、すごい…」と勝手に委縮していただけなのかもしれません(笑)。
結論:あなたの「〇」が無敵です
本記事では「どっち?」という話をしましたが、冒頭で確認した通り、試験のルールは『羽の形は、自由とする』です。
無理に慣れない形を選ぶ必要はありません。 あなたが練習して、一番自信を持って形作れるもの。 皆さんの中で「〇(マル)」となる形こそが、結果的に無敵の正解なのです。
迷っている方は、どうか「自分が一番美しく結べる形」を信じて、そのクオリティを磨き上げてください。
ご参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。

