一級実技試験問題及び注意事項には、試験時間について以下の記載があります。
「着物着付、帯結び(草履まで)25分」
今日は、ご自身で練習する際の「お時間の目安」について綴ります。
「25分」の壁と、絶望のスタート
初めてタイムを計って自主練習をした時、25分をゆうに超過しました。
時間を意識してみたものの、当初は25分でお草履までたどり着くことは到底できず。言わずもがな、少し離れて仕上がりを俯瞰することにも至らず、25分のタイムアラートが鳴った瞬間に「パッ」と手を離すという事態でした。
合格なんて、遠い遠いスタートなのだと痛感しました。
けれど、対策講座でお世話になった2か所の先生方は、共通してこう仰いました。
『20分でお着付けをして、残り5分間は手直しの時間にしなさい』
そうか、20分か。
手も足も出なかった「20分以内」にお着付を終え、お草履まで履かせる流れ。その「手も足も出ない状態」から脱したい一心で、ひたすら練習に向き合いました。
お守りの言葉『質より量、量が増えれば質も上がる』
正直、事はスムーズには運びませんでした。
そんな時、私が自分自身のお守りにしていた言葉が『質より量、量が増えれば質も上がる』です。
ダルビッシュ有投手の言葉に「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘をつく」というものがあります。
まさにその通りで、最終的には「頭を使う(質)」ことが求められます。しかし、手が勝手に動くようになるまでは、圧倒的な「量」をこなすしかないのです。
量をこなすことで、自分なりの「リズム感」が生まれます。
リズムが生まれて初めて、「なぜここで躓いたのか?」を客観視して考える余裕(質)が生まれるのだと実感しました。
結果的に、合格年の通常の練習では20分以内で終え、残り5分間を手直しにあてられるところまでたどり着きました。
私の感覚では、ボディだと転倒を危惧して慎重になり20分(油断すると25分間近)。モデルさんだと、スーパー協力的にしっかり立っていてくださる姿勢のおかげで18〜19分というタイムでした。
本番でタイムを「遅く」した理由
練習時ではこうだった私ですが、合格年の受検時は、実は「20分を超えてからお草履を履かせる」という、練習時より少し遅めのタイム運びをしていました。
それは、日々の練習の積み重ねから「タイムは絶対に間に合う」という確信があったからです。だからこそ、確実に、丁寧に、美しいお着付けを目指しました。
おごり高ぶりと言ってしまえばそれまでですが、「タイムに注力するフェーズ」から「完成度の高さに注力するフェーズ」へとシフトできた瞬間でした。
あえて「散々な動画」を公開します
さて、では実際に「20分着付け(18〜19分台のリズム)」ってどんな感じよ??ということで、私が練習時に撮影した動画を、こちらにこそっと限定公開いたします。
正直、「いやぁ、これは世に出してはいけない内容では…」と躊躇するレベルです。
途中で思わぬ躓きがあり、はい、帯結びの所作を完全に宜しくないものとしています(帯と帯板を一緒に持って帯回しをする際の所作が甘く、起点を見失ってかなりもたついています)。
完璧なお手本として、人様のお役に立つものではありません。
「あぁ、これはないな」「こうはなりたくないな」「よくこのレベルから合格できたな」と、きっと散々に感じていただける内容です。
ですが、練習時に「検定委員の先生方から見て、自分の動きに無駄はないか?手をベタベタ触っていないか?」を客観視し、リズムを掴むための記録としては、リアルな教材になるかもしれない。
これから受検される皆様の、練習の一つの参考(反面教師)につながればと、あえて「えいやっ」と添えさせていただきます。
泥臭くもがいたこの記録が、皆様の背中を少しでも押すことができれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

